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1993 年度 実績報告書

金属塩基性塩層状結晶におけるアニオン交換機能とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 05453127
研究機関広島大学

研究代表者

山中 昭司  広島大学, 工学部, 教授 (90081314)

研究分担者 大橋 正夫  広島大学, 工学部, 助手 (80160597)
キーワード金属塩基性塩 / アニオン交換体 / 層状結晶
研究概要

[研究目的]
層状ナノコンポジットのホスト層として、無機層状結晶が注目されている。なかでも、イオン交換性を有する層状結晶は、インターカレーションを利用する多様なナノ複合化が可能であり、分子レベルでの異種物質の複合化による材料開発を進める上で、特に有用な層状結晶である。しかし、その殆どはカチオン交換体であり、アニオン交換能を有する層状結晶はあまり知られていなかった。本研究では、当研究者らが初めて見出した金属塩基性塩層状結晶のアニオン交換能について、さらに詳細に検討すると共に、アニオン交換反応により、新規な機能性層状ナノコンポジットを誘導する。
[研究成果の概要]
当研究者らは既に、ボタラカイト型塩基性塩Cu_2(OH)_3(OCOCH_3)H_2Oがアニオン交換性を示すことを見出しているが、本年度は、新しい金属塩基性塩の開発を目的として、合成を行ない、新たに複塩基性塩Ni_<1-x>Zn_<2x>(OH)_2(OCOCH_3)_<2x>・nH_2Oの酢酸基がアニオン交換性を示すことを見出した。この物質はボタラカイト型構造ではなく、Zn_5(OH)_8(NO_3)_2・2H_2Oと同形であることを明らかにした。亜鉛の塩基性塩はアニオン交換性を示さず、亜鉛を含有する塩水溶液中で溶解析出して、別のアニオン置換型に変化するが、本研究で得られた複塩基性層状結晶は、種々のアニオンとトポタクティックに容易に交換し、反応は可逆的である。NO_3^-やBr^-,Cl^-,SO_4^<2->などとのイオン交換だけでなく、ケイ酸アニオンとの交換も可能であることを見出しており、層状構造の特徴を利用して、当初期待したように、遷移金属を含む粘土の低温合成や、二次元磁性体の合成などが可能となると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Yamanaka: "Anion exchange reaction in layer structured crystals" Proc.Inter.Symp.Zeolites and Microporous Crystals Nagoya,1993. (印刷中).

  • [文献書誌] S.Yamanaka: "New functional solids derived from layer structured crystals by pillaring and grafting" Proc.Inter.Symp.Soft Chemistry Routes to New Materials,Nantes,France,1993. (印刷中).

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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