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1994 年度 実績報告書

金属塩基性塩層状結晶におけるアニオン交換機能とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 05453127
研究機関広島大学

研究代表者

山中 昭司  広島大学, 工学部, 教授 (90081314)

研究分担者 川路 均  広島大学, 工学部, 助教授 (10214644)
キーワードアニオン交換体 / 金属塩基性塩 / 層状結晶 / インターカレーション / 二次元磁性体
研究概要

1.昨年の研究で新たに見い出したアニオン交換体、Ni-Zn複塩基性酢酸塩の組成はNi_<1-x>Zn_<2x>(OH)_2(OCOCH_3)_<2x>nH_2O(0.15<x<0.25)であり、構造は先に報告した銅塩基性塩のボタラッカイト型とは異なり、Zn_5(OH)_8X_2nH_2O型であることを明らかにした。
2.層間の酢酸イオンは種々のアニオンと可逆的に交換可能である。
3.層間アニオンはケイ酸アニオンとも交換することができた。[Si_8O_<20>]^<8->イオンとの直接交換はできなかったが、カプリル酸イオンでまず交換して層間を拡大させたのち、交換を行なうと、[Si_8O_<16>(OH)_4]^<4->イオンとして交換し、これを水熱処理することにより、2:1型層状粘度鉱物に類似の層状ケイ酸塩が得られた。反応はトポ化学的に進行し、ホストの複塩基性塩の組成と構造は保持される。この他、種々のケイ酸アニオンとの交換も可能であることを明らかにした。
4.ボタラッカイトは強アルカリ性溶液中では、水酸化物となり、構造変化するのに対して、Ni-Zn塩基性塩は安定であり、水酸化イオンとも可逆的に交換できる。このイオン交換体は炭酸ガスを吸着し、炭酸イオン交換体に変化した。
5.Ni-Zn複塩基性塩は層間アニオンで隔てられたNi(OH)_2層を含み、アニオン交換により層間隔が自由に変化できるNi(OH)_2二次元磁性体として、物性面でも興味ある化合物である。Ni-Zn複塩基性塩の常磁性温度域での磁化率の温度依存性は、バルクのNi(OH)_2とよく似た挙動をするが、液体He温度の低温では、強磁性的に振舞う事を見い出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.Yamanaka: "New Aanion Exchangeable Layered Mixed Basic Salt,Ni_<1-x>Zn_<2x>(OH)_2(OCOCH_3)_<2x>nH_2O" Advances in Porous Materials. (in press).

  • [文献書誌] S.Yamanaka: "Thermal Eyolution of Ni-chlorite-like Phase from Montmorillonite" Clay Sci.99巻. 99-107 (1994)

  • [文献書誌] S.Yamanaka: "New Functional Solids Derived from Layer Structured Crystals by Pillaring and Grafting" Materials Science Forum. 152/153巻. 69-80 (1994)

  • [文献書誌] S.Yamanaka: "Anion Exchangeable Reactions in Layer Structured Crystals in “Zeolites and Microporous Crystals"(T.Hattori and T.Yashima eds.)" Kodansha/Elsevier, 504ページ (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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