研究課題/領域番号 |
05453128
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊藤 博徳 北海道大学, 工学部, 教授 (70001287)
|
研究分担者 |
福原 彊 北海道大学, 工学部, 助手 (50238507)
米田 徳彦 北海道大学, 工学部, 教授 (50001219)
|
キーワード | 脱アルキル化 / メタノール分解水素 / 熱分解 / アルキルベンゼン |
研究概要 |
アルキルフェノール類について、常圧下窒素または水素気流下(35ml/min)、650〜850℃の流通系反応装置により、メチルアルコールを共存させたヒドロ脱アルキル化及び脱水酸基反応を検討した。窒素気流下でo-エチルフェノールは反応温度650℃以上で脱エチル化したフェノールと、分子内縮合したベンゾフランを生成し、反応温度700〜750℃で生成量が極大となった。反応温度750℃以上では、脱水酸基反応も起こりベンゼンが増加した。しかし、ナフタレンなどの重縮合物が同時に生成した。メチルアルコールを共存させると、反応温度800℃以上においてベンゼンの生成量が若干多くなった。水素気流下、反応温度を850℃にすると、ベンゼンの収率が増加した。しかし、水素とメチルアルコールが共存する系では、アルキルベンゼン類の反応とは異なり、ベンゼンの収率は増加しなかった。m-、P-エチルフェノールについて、反応温度850℃、水素35ml/min、メチルアルコール共存下で反応を行い、置換基位置の効果を検討した。生成物はo-体の反応の場合とそれほど大きな相違は認められなかった。m-、P-体からはベンゾフランはほとんど生成されないで、フェノールが若干多く生成した。アルキルフェノール類の反応の場合、共存するメチルアルコールは分解して生成する水素が脱官能基反応に作用する量は少なく、反応系に大過剰に存在する水素と反応してメタンと水を生成する反応に消費されるためと考えられる。さらに生成した水が脱官能基反応の抑制に作用していると推察される。従ってメチルアルコールの存在は、アルキルフェノール類の反応においても、重縮合生成物の生成を抑制するが、脱官能基反応にはあまり有効に作用しないことが認められた。 次年度においては、アルキルチオフェノール類の反応と重水素化トルエンを使用して反応の解析を行う予定である。
|