研究課題/領域番号 |
05453128
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊藤 博徳 北海道大学, 工学部, 教授 (70001287)
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研究分担者 |
福原 彊 北海道大学, 工学部, 助手 (50238507)
米田 徳彦 北海道大学, 工学部, 教授 (50001219)
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キーワード | 脱アルキル化 / メタノール分解水素 / 熱分解 / アルキルベンゼン |
研究概要 |
メタノール共存下のアルキルベンゼンの水素化脱アルキル化反応機構について、トルエン、または重水素置換トルエン(C_6H_5CD_3、C_6D_5CH_3C_6D_5CH_3)を、重メタノール(CD_3OD)、メタノール(CH_3OH)、重水素(D_2)共存下の反応を行い、生成物の重水素分布を求めて考察した。 C_6H_5CH_3とCD_3ODまたはD_2との共存下の反応で、トルエンは重水素置換された。反応系で生成した重水素ラジカルとトルエンの水素との交換反応による。反応温度を750から850℃に上昇すると,転化率及びベンゼン収率が向上し、トルエン、ベンゼンの重水素交換割合も上昇した。一方、D_2共存下の反応でも、同様の重水素交換した生成物を得た。しかし、脱メチル化生成物C_6H_6が生成しており、特に750℃の反応でその生成割合が高くなった。CD_3ODまたはD_2に由来するD-ラジカルと、トルエンと反応によるフェニルラジカルが、トルエンからC_6H_6とベンジルラジカル、ロルイルラジカルを生成し、これらのラジカルはD-ラジカルと反応により重水素交換トルエンとなると考えられる。 C_6H_5CH_3とCD_3OD、C_6H_5CD_3とCH_3OH、C_6D_5CH_3とCH_3OHの組み合わせた反応(750℃)では、メチル基のD、Hに関係なく、重水素分布がほぼ同じベンゼンが得られた。 また、C_6D_5CH_3、C_6D_5CD_3の反応でも、-CH_3、-CD_3に関係なく、生成ベンゼンの重水素分布は類似していたので、トルエンの水素化脱メチル化反応では、トルエンのメチル基の水素(または重水素)は反応に関与しないことを示している。 一方、C_6H_5CH_3とCD_3OD共存下の反応では、芳香核の水素引き抜きによりベンゼン-d_0が主生成分であった。C_6D_5CH_3とCH_3OH共存下の反応では、メタノールの水素が引き抜かれたベンゼン-d_5が主生成物であった。
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