研究概要 |
本研究を達成するためには基礎的な知見を得る必要があるので[2.2]系化合物の反応についてまず検討した。それらの成果をつぎにまとめた。 【.encircled1.】-メトキシ-16-メチル[2.2]メタシクロファンとBBr_3との反応では脱メチル化反応のみならず渡環反応が起こりテトラヒドピレン体が副生することを明らかにした。 【.encircled2.】種々の8,16-ジ置換[2.2]メタシクロファンを合成し、それらに対するジアゾカップリング反応を詳細に検討した。その結果、一般の芳香族化合物に比較してこれらシクロファン化合物は活性であって、モノカップリング反応が容易に起こることを明らかにした。ただし室内を通してのスルースペース効果のために、ジカップリング反応に進行しないことを見いだした。 【.encircled3.】[2.2.2](1,2,3)シクロファンのFriedel-Crafts反応は容易に進行して、ジアセチル体が生成することを明らかにした。シクロファン化合物でジアセチル体が生成していたことは極めて特異なことであり興味深い。 【.encircled4.】ピレノファン類の合成を試みたが、立体障害が大きいためにジチア体のみが得られることを見いだした。
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