研究課題/領域番号 |
05453138
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒沢 英夫 大阪大学, 工学部, 教授 (40029343)
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研究分担者 |
国安 均 大阪大学, 工学部, 助手 (00252594)
生越 専介 大阪大学, 工学部, 助手 (30252589)
垣内 喜代三 大阪大学, 工学部, 助手 (60152592)
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キーワード | π-アリル錯体 / トリメチレンメタン錯体 / オキサトリメチレンメタン錯体 |
研究概要 |
現代の高選択的有機合成化学の発展には、元素の特徴を理解しそれを有機反応に活用する無機化学的な研究手法と、本来の有機化学的な研究手法との新しい融合が不可欠となっている。本研究では、広範囲な金属種と有機配位子の組み合わせから成る有機金属複合系に関する反応論の確立を目指し、さらに合成化学的応用への新展開を計った。以下に本年度の研究実績の概要をまとめる。 π-アリル錯体の立体構造制御 アリル基の1位に置換のあるμ-アリルパラジウム、白金2核錯体を合成し、通常起こり難いアンチ立体化学の錯体(1)が優先する条件を確立できた。またアリル基の配位のエナンチオ選択性(2参照)を高く与える配位子(L、L′)として、ビスオキサゾリンが適していることが判明した。 トリメチレンメタン錯体および類縁錯体の構造と反応性 スズ化合物からのメタセシスを利用した簡便なトリメチレンメタンメタンパラジウム活性中間体の発生と捕捉に成功した。すなわちトリメチレンメタンとアルデヒドとの形式的な[3+2]環化付加に成功した。また類似のオキサトリメチレンパラジウム錯体の単離を行い、X線構造解析により特異な構造特性を明らかにした。さらにこれらの錯体の溶液中での動的構造をNMRで解析することができた。最後にこのパラジウム錯体とノルボルネンとの間の型式的な[1+2]付加反応のモデル化に成功した。
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