研究課題/領域番号 |
05453141
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸嶋 直樹 東京大学, 工学部, 助教授 (50011010)
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研究分担者 |
川村 時治 東京大学, 工学部, 教務職員 (30107586)
後藤 八重子 東京大学, 工学部, 講師 (00092388)
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キーワード | 金属クラスター / 2元金属クラスター / 合金クラスター / 酸化還元電位 / 高分子配位 / 高分子錯体 / 銅 / 白金 |
研究概要 |
1)複合金属クラスターの構造制御には、金属イオンの還元順序、従って酸化還元ポテンシャルが重要な役割を担っている。例えば、高分子保護パラジウム/白金2元金属クラスターは、白金に中核を形成しそのまわりをパラジウム原子層がおおう"core-shell"構造をとっているが、パラジウムイオンと白金イオンの混合溶液では、白金イオンの還元が終了するまでパラジウムイオンは還元されない。また白金の還元速度は、パラジウムを含んだ溶液の場合、それを含まない場合に比べて非常に速くなっており、パラジウムが「電子伝導体」となっていることが明らかとなった。 2)構造制御に添加した高分子が配位子として関わっていることは、例えば金/白金2元クラスターの合成に高分子共存下にアルコール還元法を用いると"core-shell"構造の2元クラスターが得られるが、両触媒性分子の作るミセル存在下の光還元では金および白金の単独クラスターの混合物が得られることからも明らかである。配位子としては、トリフェンのホスフィンやO-フェナントロリンも貴金属クラスターを安定化することがわかった。 3)従来困難とされた軽還移金属-貴金属の複合クラスターの合成を、銅/パラジウム系につづいて、銅/白金系でも成功した。これらは、混合物ではなく合金クラスターであることを可視紫外吸収スペクトル、XPS,XRD、さらに高分解能TEMによって確認することができた。
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