研究概要 |
まず,ピロメリト酸と脂肪族ジアミンの塩をモノマーとして,ピストンシリンダー式高圧装置(圧力が1万気圧まで)を使用して加熱し,高圧重縮合(脱水を伴う)を行った結果,容易に脂肪族ポリピロメリトイミドが得られることを明らかにした。この結果は先に報告したピロメリト酸ジエステルと脂肪族ジアミンからの塩モノマーを使用する場合と同様であり,高結晶性で高分子量のポリイミドが容易に得られており,したがって,合成が繁雑なジエステルを経由する塩モノマーを使用する必要がないことを示している。また,ピロメリト酸ジエステルと芳香族ジアミンの塩モノマーの高圧重縮合を試みたところ,生成物は比較的分子量の小さい高結晶性のオリゴマーであるが,これをさらに常圧下で熱処理すると後重合が起こり結晶性の高い高分子量のポリイミドが得られることを見出した。さらに,先の芳香族ビス-o-アミノフェノールと脂肪族ジニトリルの高圧重縮合による脂肪族ポリベンゾオキサゾールの合成に引続いて,芳香族ジニトリルとの間で高圧重縮合を行った結果,先の脂肪族系の場合に比べて高圧重縮合が困難であり,高分子量の芳香族ポリベンゾオキサゾールが得難いことを明らかにした。
|