まず、ピロメリト酸と脂肪族ジアミンの塩モノマーを、ピストンシリンダー式高圧装置を使用して2200気圧、320℃で加熱して、高圧重縮合(脱水を伴う)を行った結果、容易に高分子量で高結晶性の脂肪族ポリイミドが得られることを明らかにした。つぎに、ビフェニルテトラカルボン酸と脂肪族ジアミンの塩モノマーを同様にして2200気圧、250℃で高圧重縮合させた結果、容易に高分子量で高結晶性の半芳香族ポリイミドが生成することを見出した。さらに、テルフェニルテトラカルボン酸ジエチルと脂肪族ジアミンの塩モノマーを同様にして2200気圧、250℃で高圧重縮合させることにより(水とエタノールの脱離を伴う)、容易に高分子量で高結晶性の半芳香族ポリイミドが生成することを見出した。これらの3種のポリイミドの融点はメチレン基の数に応じて上下する偶奇効果を示し、またガルス転移点はエチレン基の数とともに単調に低下すること、さらにこのテルフェニルテトラカルボン酸系ポリイミドが溶融液晶性を示すことを見出した。これはイミド骨格のみからなるポリマーで溶融液晶性が見つかった初めての例である。
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