研究課題/領域番号 |
05453149
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 竹治 京都大学, 工学部, 助教授 (20026230)
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研究分担者 |
西条 賢次 京都大学, 工学部, 教務職員 (60115847)
長谷川 博一 京都大学, 工学部, 助手 (60127123)
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キーワード | ブロック共重合体 / 高分子ブレンド / 高分子アロイ / ズリ流動 / 光散乱 / 小角X線散乱 |
研究概要 |
平成5年度は、高分子ブレンドやブロック共重合体など新素材として注目されている高分子アロイの外部場下における秩序構造制御法確立の基礎を得るため、成形時に一番その影響が顕著であるズリ変形およびズリ流動下における高分子混合系の秩序構造形成の逆空間(光散乱・小角X線散乱)における実場観察研究を行なった。その顕著な成果の一つは、ズリ流動下における高分子系に出現する「バタフライ・パターン」と呼ばれる特異な散乱パターンを与える現象を、ポリジメチルシロキサン/シリカコロイド系およびポリスチレン/DOP系の二つの系において解明したことである。前者では高分子の橋架けで凝集したシリカコロイドの変形と配列により生じた濃度ゆらぎが、また後者では高分子の絡み合いに起因する流体中のリップル波による濃度ゆらぎがバタフライ・パターンの原因となっていることがわかり、ズリ流動場中における高分子の挙動が一つ明らかになった。高分子ブレンドに関しては、さらにスピノーダル分解過程に加えられた1軸圧縮変形が秩序構造形成に及ぼす影響を計算機シミュレーションにより検討した。ブロック共重合体に関する研究としては、ラメラ状および球状のミクロドメイン構造を持つブロック共重合体にズリ変形を加えながら小角X線散乱測定を行ない、ズリ変形がミクロドメイン構造の変形と配向に及ぼす効果を明らかにした。特にラメラ状ミクロドメイン構造を持つブロック共重合体の低温・低周波数でのズリ変形では、ラメラが2軸配向するという予想外の現象が観察され、そのメカニズムの解明が新しい課題となった。
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