研究課題/領域番号 |
05453152
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山下 祐彦 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (20032930)
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研究分担者 |
横山 文義 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (50174876)
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キーワード | 高分子ウイスカー / 重合結晶化 / 剛直高分子 / 共重合 / ポリ(p-オキシベンゾイル) / ポリ(p-オキシシンナミイル) / 液・液相分離 / らせん転位 |
研究概要 |
本年度は、昨年から継続していたポリ(p-オキシベンゾイル)(POB)ウイスカーの生成を支配している速度過程を明らかにすべく、溶液重合での各段階の生成オリゴマーの重合度と生成量を高速液体クロマトグラフィーで追跡する基礎を確立した。この点に関してはさらに現在も研究を継続中である。 POB以外の剛直高分子ポリ(4-オキシ-4'-フェニルベンゾイル)(POPB)についてもウィスカ-調製を試みたが針状結晶を得ることができなかった。しかし、重合初期生成物中にらせん成長による結晶の積層形態が観察され、らせん転位による結晶成長の妥当性を支持した。p-アセトキシ安息香酸(p-ABA)とm-アセトキシ安息香酸(m-ABA)の溶液共重合を行った結果、m-ABAの仕込み量30mol%までウイスカー形態が観察され、そのウイスカー中のm成分を調べた結果数mol%しか結晶中には入っていないことが明らかになった。この例では溶液結晶化過程に律速されたウイスカー生成は分別効果をともなったオリゴマーの結晶化で起こっていることを示した。一方、p-ABAと4'-アセトキシビフェニル-4-カルボキシリックアシド(ABPA)との溶液共重合では数mol%のABPAを仕込むことでウイスカー形成は阻害され、球状の形態が観察された。これは溶液中での重合による重合度の上昇とともにオリゴマーの融点が上昇するが、溶媒に溶解せずその重合温度で液・液相分離が起こる。そして、濃厚相中でのさらなる重合度の増加で融点上昇が起こり、結晶析出が起こることで説明できる。このような例はポリ(p-オキシシンナミル)でも見いだされ、球状形態の重合温度や重合時間依存性の検討からオリゴマーの液・液相分離を通して析出が起こっていることが実証された。このように、重合結晶化の新しい機構を見いだした。これに基づいて従来のウイスカー生成とともに重合過程での形態制御法をさらに発展さすべく現在も勢力的に研究を進めている。
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