1.(高分子液晶/液晶)複合膜構成材料の合成:側鎖型高分子液晶(ポリメチルシロキサン主鎖とシアノビフェニル、フェニルエステル系あるいは光応答性アントラセン系の側鎖液晶形成基から構成)、低分子液晶(シアノビフェニル系、フェニルエステル系)、光応答性低分子液晶(アゾベンゼン骨格)を合成した。 2.(高分子液晶/液晶)複合膜の調製と熱的挙動:溶媒キャスト法により(高分子液晶/低分子液晶/光応答性低分子液晶)三元複合膜を作製した。種々の複合比の(高分子/液晶)複合膜に対して示差走査熱量測定、偏光顕微鏡観察、X線回析測定を行い、相図を作製した。相図に基づき、電気・光・熱記録を行うスメクティック相複合膜の特定を行った。 3.(高分子液晶/液晶/光応答性液晶)三元複合膜の電気・光・熱応答挙動:本申請研究で購入予定の瞬間マルチ測光システムを使用し、種々の波長、強度の光照射に伴う三元複合膜の可視・紫外吸光スペクトル変化から膜中での光応答性低分子液晶の光異性化および二重化挙動を動力学的に評価した。これにより効率よく可逆的な光化学反応を起こさせる光の波長と強度を決定した。さらに複合膜の電界モード、熱モード特性を検討した。 平成5年度は、複合系を構成する各素材の合成と複合化、および、それらのキャラクタリゼーションを完了した。これは、ほぼ当初の計画どうりであり、研究遂行上の問題は生じていない。
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