研究課題/領域番号 |
05453160
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 正道 東京大学, 農学部, 教授 (50018339)
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研究分担者 |
堀内 裕之 東京大学, 農学部, 助手 (00209280)
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キーワード | 糸状菌 / アスパルティックプロテイナーゼ / キチナーゼ / プロ配列 / Rhizopus / フォールディング / 分泌 |
研究概要 |
前年度までにRhizopus niveusが菌体外に多量に分泌するアスパルティックプロテイナーゼ-I(RNAP-I)のプロ配列全体を除いた改変体ΔproをSaccharomyces cerevisiae中で発現させた場合そのフォールディングがうまくいかないために分泌されないことを明らかにし、この場合ΔproはS.cerevisiae内の小胞体(ER)で分解を受けていることを間接蛍光抗体法により推定した。本年度はΔproの細胞内での分解場所についてさらに細胞分画とER→Golgiの輸送に欠損をもつsec変異株を用いて解析を行った。その結果、ER内で分解されていることが確実となった。一方、R.oligosporusが菌体外に分泌するキチナーゼ1についてそのC末端にあるプロ配列を部位特異的変異により除いた改変体遺伝子を作製しこれと野生型遺伝子をイントロンを除いた型でS.cerevisiaeのグリセロアルデヒド3リン酸脱水素酵素遺伝子のプロモーター下に繋ぎS.cerevisiaeに導入しその分泌に与えるプロ配列の有無の影響について検討を加えた。その結果、キチナーゼ1はプロ配列のない状態でも培地中に効率良く分泌されることが明らかになった。このことよりキチナーゼ1のC末端プロ配列はRNAP-Iのプロ配列とは異なり成熟型キチナーゼ1自身のフォールディングには関与しないことが推定された。またキチナーゼ1のプロ配列のin vivoでの機能を解析するためR.oligosporusについてパルスラベル、細胞分画などの手法を用いてそのプロ配列が合成後細胞内のどの場所でどの時期に切断されるかについて検討した。その結果、プロ配列はR.oligosporusの細胞壁において培養後期の自己溶菌に際して切断されることが推定された。またこれとは別にRNAP-I、キチナーゼ1のプロ配列をRhizopus内で高発現させるためにR.delemarの形質転換系の検討、改良を行った。
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