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1993 年度 実績報告書

細菌の細胞周期における蛋白質の燐酸化、カルシウムイオン、細胞骨格様蛋白質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 05453161
研究機関東京工業大学

研究代表者

永井 和夫  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00011974)

研究分担者 和地 正明  東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90192822)
キーワードoriC / DNA gyrase / 超ラセン構造 / H-NS / カルシウム / 細胞周期 / 大腸菌
研究概要

複製開始直前のoriC複合体〔pre-initiation(oriC)複合体と呼ぶ〕の形成にかかわる要因の検討を行った。まず、DNA gyraseの阻害剤の複合体形成に対する効果を調べた。novobiocin処理により、pre-initiation複合体の形成が強く阻害され、引き続く複製開始も阻害された。一方、nalidixic acid処理では、複合体の形成も複製開始も進行した。この時、reporter plasmidの超ラセン度をクロロキンゲル電気泳動により調べたところ、novobiocin処理により、顕著な超ラセン度の減少が見られた。nalidixic acid処理では、それ程変化しなかった。これらの結果からpre-initiation oriC複合体の形成にはDNAの超ラセン構造が必要であることが示唆された。
oriC複合体画分中にヒストン様蛋白質H-NSが見い出されたため、H-NSの染色体複製における役割を検討した。in vitroのoriCプラスミド複製系においてH-NSは阻害効果を示した。少量のHUによりoriCからの複製開始が増加することが知られているが、H-NSはこれを代替しなかった。
大腸菌の細胞周期におけるカルシウムの役割を明らかにするために、培地中の高濃度のカルシウムによって生育が阻害される変異株と、高温感受性が抑制される株を探索した。fcsA29変異株として分離されていたCS2-29株がカルシウムによって細胞分裂が阻害され、巨大細胞を形成して死に至ることを見い出した。カルシウム感受性はfcsA29変異とは異なる変異によるものであった。また新たに、高温感受性がカルシウムによって抑制されるts88変異株を分離した。現在、これらの遺伝子のクローニングを行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Okada et al.: "Cytoplasmic axial filaments in Escherichia coli cells:possible function in the mechanism of chromosome segregation and cell division." J.Bacteriol.3. 917-922 (1994)

  • [文献書誌] T.Kataoka et al.: "Fully methylated oriC with negative superhelicity forms an oriC-membrane complex before initiation of chromosome replication." Biochem.Biophys.Res.Commun.194. 1420-1426 (1993)

  • [文献書誌] M.Matsuhashi et al.: "Functions of penicillin-binding proteins and their regulation." 50 Years of Penicillin Application. 305-323 (1993)

  • [文献書誌] M.Matsuhashi et al.: "Septum peptidoglycan synthesis in vitro in Escherichia coli:reconstitution of the PBP3-FtsW system on the membrane." 50 Years of Penicillin Application. 345-352 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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