研究課題/領域番号 |
05453169
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伏木 亨 京都大学, 農学部, 教授 (20135544)
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研究分担者 |
井上 和生 京都大学, 農学部, 助手 (80213148)
河田 照雄 京都大学, 農学部, 助教授 (10177701)
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キーワード | 脂肪組織 / 肥満 / 遺伝子発現 / ビタミンA / レチノイン酸 / ビタミンD / 転写因子 / 細胞増殖因子 |
研究概要 |
(1)前駆脂肪細胞増殖因子(PAGF)の発現制御要因の解析 我々は、PAGF活性を種々の哺乳動物白色脂肪組織(WAT)において検索したところ、ヒトを含む哺乳動物に広く存在し、特にウシWATに高い活性が認められた。そこでウシWATからPAGFを高純度に精製し、N-末端アミノ酸配列を決定した。ついで、マウスWATcDNAライブラリーからPAGFcDNAのクローニングを行いPAGFの塩基配列並びに全アミノ酸配列を明らかにした。さらに、PAGF活性の発現制御要因を、高脂肪食負荷並びに運動負荷をラット並びにマウスを用いて検討したところ、前者は強度の促進要因となり得ること、また、後者は強度の抑制要因となり得ることが明らかとなった。 (2)脂肪細胞の分化に関わるビタミンAおよびD受容体の発現調節機構の解析 ビタミンA,Dをはじめとるする多くの脂溶性ビタミン、特にレチノイン酸(RA)が白色脂肪細胞の分化を強く抑制することを培養細胞系を用いてすでに明らかにした。さらに申請者等は、RA受容体(6種類)とビタミンD受容体のcDNAを用いて白色脂肪細胞でのRAおよびビタミンD受容体の発現が特徴的であることを初めて見出した。さらに興味深いことに、これらの脂溶性ビタミンはそれらの受容体が核内での転写調節因子として相互作用、すなわちクロストークする現象をも見出し、このことが脂肪細胞形成調節機構に極めて重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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