研究課題/領域番号 |
05453170
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
広瀬 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60026523)
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研究分担者 |
高橋 延行 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (20252520)
三上 文三 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (40135611)
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キーワード | モルテングロビュール / オボトランスフェリン / 血清アルブミン / 食品機能特性 / タンパク構造変換 |
研究概要 |
食品タンパク質の物性上の機能特性の発現機構を明らかにするため、オボトランスフェリンと血清アルブミンについて、タンパク分子の高次構造変換の役割を検討した。 オボトランスフェリンのX線結晶構造解析 高次構造が未知のオボトランスフェリンのX線結晶構造解析を開始した。まずオボトランスフェリンの良質な単結晶をポリエチレングリコールを用いて調製した。ついでこの単結晶を用いてX線回折データを収集した。データの解析を、すでに申請者らが明らかにしたオボトランスフェリンN半分子の原子座標データによる分子置換法を活用して行った結果、分子量8万からなるオボトランスフェリンの原子座標の詳細を2.4Aのレベルで明らかにすることに成功した。 モンテングロビュールの構造解析 オボトランスフェリンと血清アルブミンは、いずれも分子内SS結合の還元的切断により、基本構造からモルテングロビュール状態に移行する。また、これらタンパク質は、SS結合の還元により高濃度条件下では会合体を形成しゲル化する。そこで、モノマーレベルでのモルテングロビュールの構造を円偏光二色性、蛍光スペクトル、プロテアーゼによる断片化法により分析し、上記、X線結晶構造解析による基本構造のデータに基づいて、構造変換の機構を解析した。その結果、モルテングロビュール状態では、基本構造に見られる二次構造が部分的に残存していることが分った。
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