研究課題/領域番号 |
05453171
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 浩雄 九州大学, 農学部, 教授 (20038243)
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研究分担者 |
阿部 善作 九州大学, 農学部, 助手 (30091383)
割石 博之 九州大学, 農学部, 助教授 (50253513)
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キーワード | セルロース / カルボキシメチルセルロース / エステル化 / 活性エステル / アミノリシス / グラフト重合 |
研究概要 |
アクリル酸クロリドとN-ヒドロキシサクシンイミドとの反応により活性エステルモノマー(N-アクリロキシサクシンイミド; N-ASI)を合成した。球状セルロース(セルロファイン)にセリウム塩法によりN-ASIをグラフト重合した。グラフト重合した試料は1744cm^<-1>にIR吸収を有したが、これを加水分解すると1717cm^<-1>にシフトしたので活性エステル基を有することがわかった。グラフト率12%の試料にリン酸緩衝液(pH6.3〜7.6)中、37℃でアミラーゼを固定した。これはペプチドのIR吸収(1653cm^<-1>, 1567cm^<-1>)を有することから固定化酵素と考えられた。この酵素活性を調べるために、でんぷんを基質とし、緩衝液中、37℃、30分間反応させた。反応は生成するグルコース量をSomogyi-Nelson法で追跡した。しかし、酵素活性は生酵素の5%程度であった。このように活性が低いのはグラフト鎖の活性エステル基密度が高すぎるため酵素の活性中心も相当に反応したものと考えられる。今後、一部を前加水分解あるいは他のモノマーを併用して共グラフト重合を行うのが良いと推察された。 次に光学異性体分離用担体を調製するために、活性エステル試料と(R)-2-Amino-1-butanolとの反応を行った。IR吸収から反応が起こることはわかったので、定量的な検討を進めている。 微結晶セルロースにトリレンジイソシアネートを反応させた。2位と4位のイソシアネート基の反応性が大きく異なるので、4位でセルロースに結合させ、2位のものを遊離の状態で有する活性セルロースを合成できた。イソシアネート置換度0.32の試料を用い、(R)-2-Amino-1-butanolと反応させたところ反応率は40%であった。これらによる光学分割を検討中である。
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