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1993 年度 実績報告書

微細藻類のペプチド性プロテアーゼ阻害物質の探索とその生合成経路に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05453172
研究機関東京大学

研究代表者

村上 昌弘  東京大学, 農学部, 助教授 (70134517)

キーワードプロテアーゼ / プロテアーゼ阻害物質 / エラスターゼ / キモトリプシン / 藍藻 / Nostoc / ペプチド
研究概要

プロテアーゼ阻害物質のスクリーニングにおいて強いエラスターゼ阻害活性を示した淡水産藍藻Nostoc minutumより阻害物質の単離・構造決定を行い、活性の評価を行った。
国立環境研究所より分譲を受けたNostoc minutum(NIES-26)をCB培地を用いて大量培養した。培養液384Lより得られた凍結乾燥藻体161gをメタノールで抽出し、溶媒分画、ODSと含水メタノールを用いるフラッシュクロマトグラフィーを行い、最終的に逆相系HPLCによりnostopeptin A(1)と命名した環状デプシペプチドを20mg得ることができた。
NMRのデータにより本物質はペプチドであることが推定され、HRFABMS937.532[M-OH]^+Δ7.5mmuから分子式をC_<48>H_<74>N_8O_<12>と決定した。酸加水分解物のアミノ酸分析とNMRの結果より、2モルとIleと、1モルのGln、Leu、N-MeTyr、3-amino-6-hydroxy-2-piperidone(Ahp)、3-hydroxy-4-methylproline(Hmp)の存在が判明した。アミノ酸の配列はHMBCおよびROESYスペクトルにより推定し、nostopeptin Aの平面構造を1と決定することができた。通常アミノ酸の立体は、TFA化後、イロプロピルエステル誘導体としてGC分析、すべてL型と決定した。Nostopeptin Aのエラスターゼに対する阻害活性はIC_<50>=1.3μg/mLであった。また、キモトリプシンに対してもIC_<50>=1.4μg/mLで活性を示したが、パパイン、トリプシン、プラスミン、トロンビンに対しては活性を示さなかった。
本物質は、特異な構造を有する環状デプシペプチドであったが、当研究室でMicrocystis aeruginosa(NIES-100)より得られたmicropeptin AおよびBならびに海産タツナミガイから単離されたdolastatin 13とAhpユニットを有するなど構造的に類似性があり、その真の生産者を考える上でも興味深い物質である。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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