• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

チャンネル形成抗生物質ペプタイボール類の生体・人工膜との相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 05453180
研究機関京都大学

研究代表者

藤多 哲朗  京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)

研究分担者 長岡 康夫  京都大学, 薬学部, 助手 (90243039)
浅見 耕司  京都大学, 化学研究所, 助教授 (90127936)
上田 伸一  京都大学, 薬学部, 助教授 (20025688)
キーワードイオンチャンネル / ペプタイボール / 抗生ペプチド / 両親媒性ペプチド / 副腎髄質細胞 / カテコールアミン / 人工脂質二分子膜
研究概要

イオンチャンネル形成ペプタイポール類の一種である、トリコスポリン類の構造と活性を詳細に検討することにより、トリコスポリンが、生体膜および人工膜に及ぼす作用について、以下のような結論を得た。
1.トリコスポリン類の構造は、CD、NMRスペクトルの結果からα-ヘリックス構造と3_<10>-ヘリックス構造の混合していること、その14位のプロリン付近に折れ曲がりのあることが明らかとなった。
2.トリコスポリン類の逆相カラムを用いたHPLCの保持時間と、副腎髄質細胞からのカテコールアミン分泌活性との間に比例相関が認められた。すなわち、トリコスポリン類の脂溶性が強いほど、カテコールアミン分泌活性は増大した。
3.トリコスポリン類は、人工脂質2分子膜に、電圧依存性のイオンチャンネルを形成することが明らかになった。巨視的なチャンネルコンダクタンスは濃度依存的に増加した。シングルチャンネルは多段階のコンダクタンスレベルを示した。このコンダクタンスレベルから、約6個の分子が集まり1つのチャンネルを形成することが明らかになった。
以上の結果より、トリコスポリン類は生体膜においても人工膜と同様にイオンチャンネルを形成すると考えられる。そのチャンネル形成能は分子の脂溶性の違いによる、膜へのペプチドの分配率に支配されると考えられる。このチャンネルを通して細胞内にカルシウムイオンが流入し、カテコールアミン分泌が生じると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Matsuura: "Fungal Metabolites.IX.Synthesis of a Membrane-Modifying Peptide,Hypelcin A-II from Hypocra peltata" Chem.Pharm.Bull.41. 1955-1959 (1993)

  • [文献書誌] M.Okuda: "Fungal Metabolites.X.The Effect of Peptide Antibiotics,Trichosporin-Bs,on the Respiratory Activity of Mitochondria" Biol.Pharm.Bull.17. 482-485 (1994)

  • [文献書誌] T.Fujita: "Fungal Metabolites.XIII.Isolation and Structural Elucidation of New Peptaibols,Trichodecenins-I and -II from Trichoderma viride" Chem.Pharm.Bull.42. 489-494 (1994)

  • [文献書誌] S.Wada: "Primary Structures of Antibiotic Peptides,Trichocellins-A and -B from Trichoderma viride" Tetrahedron Lett.(in press).

  • [文献書誌] A.Iida: "Fungal Metabolites.XVI Structures of New Peptaibol,Trichokindins I-VII,from the Fungus Trichoderma harzianum" Chem.Pharm.Bull.(in press).

  • [文献書誌] Y.Nagaoka: "Peptide Chemistry 1993" Protein Research Foundation,Japan(in press), 5

URL: 

公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi