研究課題/領域番号 |
05453192
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 拓 九州大学, 工学部, 教授 (30037725)
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研究分担者 |
新留 康郎 九州大学, 工学部, 助手 (50264081)
米村 弘明 九州大学, 工学部, 助手 (40220769)
山田 淳 九州大学, 工学部, 教授 (30136551)
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キーワード | 半導体光触媒 / 酸化チタン / メタノール電池 / ナフィオン / 高分子超薄膜 / 光応答機能 / 新型燃料電池 |
研究概要 |
緑色植物のチラコイド膜で発生した電子と正孔は膜の表裏に分割輸送されて電気化学的エネルギーの蓄積を実現するが、この過程と共役して膜を介するプロトン輸送が進行する点が太陽電池との根本的な違いである。この点に着目して、本研究では光化学的に生成した酸化還元エネルギーを利用して膜を介するプロトン輸送を行なう手法を開発し、人工光合成へ応用することを目的とした。 膜を介するプロトン輸送をエネルギー変換デバイスの構成に組み入れた好例は高分子固体電解質であるナフィオンを用いた燃料電池である。我々は本研究において、ナフィオンを固体電解質とし、改質触媒として酸化チタンの光励起種を使用することにより、水性メタノールを燃料に用いた光燃料電池が駆動できることを実証した。この電池の光電流発生機構はメタノールが酸化チタンの光触媒機能で水素に転換され水素電池として機能する場合と、酸化チタンの伝導帯から直接集電される場合に分かれるが、最高で2mA・cm^<-2>の電流を取り出すことができた。 我々の発明した光応答機能をもつ高分子超薄膜を光反応の場として用いることを意図し、とくに超薄膜一水界面の特性評価を中心に光機能材料としての検討を行なった。まず、光非線形第二高調波発生(SHG)を利用して、界面活性剤型構造をもつ金属錯体が超薄膜表面に選択的に濃縮配向することを実証した。さらに、金属錯体としてルテニウムのトリスビピリジン錯体を用いれば、可視光を用いて水中の基質に対する電子移動型酸化還元反応を駆動できることを明らかにした。
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