研究課題/領域番号 |
05453200
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大垣 眞一郎 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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研究分担者 |
神子 直之 東京大学, 工学部, 助手 (70251345)
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
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キーワード | PCR法 / RNAファージ / 紫外線消毒 / ウイルス指標 |
研究概要 |
遺伝子の直接検出法であるPCR法を、環境試料のための定量的な測定法として確立するため、様々な問題点を検討した。 1.UV消毒法のPCR法による評価 UV照射によって不活化されたRNAファージQβを、PCR法によって誤陽性としてしまう可能性について、実験的に検討した。Qβ高濃度液を紫外線吸光の少ない緩衝液に加え、UV照射を行い、プラック法と多段希釈PCR法の両法により検出を行った。その結果、プラック法で評価した場合に生存率を2log、4log、12log落とした場合でさえも、多段希釈PCR法による検出限界に差が見られなかった。すなわち、PCR法によってUV消毒法の効果の監視を行うことは、現段階では難しく、さらに検討を要することが明らかになった。 2.RNAファージ検出法の最適化 環境水にPCR法を適用して、定量的に安定した遺伝子の検出を行うためには、阻害物質の影響を含めた、PCRの反応条件の最適化が必要である。 熱変成を行って核酸を抽出したRNAファージQβを段階的に希釈し逆転写反応を行った後、反応緩衝液中のTaq polymeraseおよびKCl濃度を様々に変化させて、PCR法による検出限界を調べた。Taq polymerase濃度を上げ、KCl濃度を下げたときに、検出限界が1000[Qβ粒子/反応液]になり、感度の増加が見られた。 以上より、PCR法を環境試料に適用するにはさらに感度を高める必要があり、また、適用方法に関する検討も同時に必要であることがわかった。これらは来年度の課題である。
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