研究代表者は、研究課題である「養殖産業に害を与える海洋微生物に対する天然物化学的防除手段の開発」の一環として、「養殖真珠貝に害を与えるゴカイ類、ポリドラの防除法」を開発した。 まず、徳島沿岸に生育する数十種の海洋生物を採集し、メタノールで抽出し、ポリドラの幼生を用いたバイオアッセイシステムで検索した結果、褐藻の一種、アミジグサがポリドラに対し強い殺虫作用を有することを見い出した。アミジグサの粗抽出物をヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルで抽出した。一番強く殺ポリドラ活性が認められたヘキサン抽出物をさらに分離し、活性成分として、1(crenulaceralC)を得た。化学合成により1と同等、またはそれ以上の殺ポリドラ活性を持つ化合物を得ることを考えた。1に含まれるジメトキシジヒドロフラン環が上記の生理活性に関与している可能性を考慮し、この官能基を有する数種の化合物を合成した。これらについて殺ポリドラ活性を検定した。その結果9個の炭素側鎖を持つ化合物が1と同等の1ppmで活性を示した。
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