研究概要 |
(A)天然の抗生物質グラミシジンA(NG)のD-アミノ酸を全てAib(alpha-アミノイソ酪酸)で置換したアナログ(GAA)を合成し、その構造とイオンチャンネル形成能について検討している。現在、合成GAAとNGの立体構造について、(1)各種溶媒中でのCDスペクトル変化と、(2)リン脂質のベシクル中でのCDスペクトル変化を調べた結果、NGに比べ、GAAは安定な構造をとり、3_<10>かもしくはalpha-ヘリックス構造の可能性示された。〓Conformation of Gramicidin Aib Analogues Phospholipid Bilayer"、M.Kondo et al,ペプチド化学会(1993年11月:英文要旨は1994年4月刊行予定)にて発表した。 (B)細胞外マトリックス、エラスチンのモデルペプチド(Val-Pro-Gly-Val-Gly)_n(n=40)を合成し、その自己会合現象と金属イオンの影響について検討している。温度上昇に伴い、モデルペプチドは水溶液中で疎水結合による自己会合現象が観測される。それはトリフルオロエタノール中のCDスペクトルによく対応しており、その短波長側の詳細な変化はCa^<++>やCu^<++>の添加の際に著しい相異が見られた。また^<13>C-NMRによるカルボニル基の変化と、他のイオンについても調べられている。〓Role of Copper Ion on Self-assembly of Elastin Peptides"の演題でペプチド化学会(1993年11月)にて発表した。
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