研究課題/領域番号 |
05454002
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小池 敏夫 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (80037283)
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研究分担者 |
猪郷 久治 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70014818)
有馬 眞 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (10184293)
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キーワード | 二畳紀-三畳紀境界 / コノドント化石 / 紡鍾虫化石 / 石灰岩の組織と組成 |
研究概要 |
平成5年度には、計画どうり、愛媛県東卯和群田穂上組に分布する、田穂石灰岩の掘削50m(径8cm)を1か所ならびにコアドリル(長さ60cm、径10cm)を5か所で行なった。また、当石灰岩の地表調査を詳しく行なった。現在、コアをカッターで縦ぎりに二分し、片方をコノドント化石抽出、一方を岩石薄片、化学分析の試料用に供すべく準備しているところである。なお、田穂石灰岩分布地に近いところで稼業している、ドロマイト採掘場での石灰岩採集を行ない、研磨、岩石薄片を作成、観察中である。コアについては、地表から17.30mまでは下部三畳紀スミシアンであることを、コノドント化石で確認できた。その下位には、磁鉄鉱や有機物を含む暗灰色石灰岩が続き、地表23.45mから下位はドロマイト質石灰岩となる。これらの石灰岩からは、コノドントあるいは紡鍾虫を未だ得ていないが、テチス海域、とくに中国南部の二畳紀-三畳紀境界付近の岩石学的性質と比較して、前者の暗灰色石灰岩は三畳紀最下部、ドロマイト質石灰岩は、二畳紀最上部の可能性が高い。ドロマイト採掘場においても、二畳紀上部とみなされるドロマイト質石灰岩の上位に、暗灰色石灰岩が存在することが確認できた。 宮崎県西臼杵郡高千穂町上村に分布する上村石灰岩の二畳紀-三畳紀境界部の野外精査を行ない、石灰岩の採集を行なった。田穂石灰岩と同じ様に、ドロマイト質石灰岩の上位に暗灰色石灰岩が重なることを確認した。暗灰色石灰岩から、最下部三畳紀を指示するコノドントIsarcicella parva kozur and Piatakovaを得た。日本で初めての最下部三畳系の発見である。ドロマイト質石灰岩からは、最上部二畳紀紡鍾虫を得ている。
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