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1995 年度 実績報告書

光共生性二枚貝の多様性とその適応放散現象のモデリング

研究課題

研究課題/領域番号 05454003
研究機関京都大学

研究代表者

大野 照文  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40194245)

研究分担者 加藤 哲也  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30025308)
キーワード二枚貝 / オオヒシガイ / 渦鞭毛藻 / 共生 / 暗所適応
研究概要

我々は3年間の研究で、以下のような結論を得た。この内容は、Origin of algal-bivalve symbiosisという表題でPalaeontology誌に出版することができた。
1)二枚貝と渦鞭毛藻の共生関係の起源についての仮説の提唱。
この研究の発端となったのは,本来堆積物に潜って暮らす二枚貝と光を必要とする渦鞭毛藻がどのようにして共生関係を樹立する事ができたのかという,二枚貝の光共生の起源に関わる疑問であった。従来は,二枚貝が何らかの理由で表生生活を行うようになったり,軟体部を露出させるようになり,その後に渦鞭毛藻が共生したという、二枚貝の前適応に重点をおいた説が流布していた。我々は、オオヒシガイ(F.fragum)と共生する渦鞭毛藻は、非常に弱い光で光合成を行う能力があることを明らかにし、オオヒシガイ属においては、暗所適応した渦鞭毛藻と普通の内生生活を行う二枚貝とが共生関係を樹立したとの仮説を得るに至った。我々の仮説は、二枚貝の前適応を必要としないこと、またサンゴと共生する渦鞭毛藻をはじめとして暗所適応した渦鞭毛藻は普遍的に存在していることなどから、従来の説よりも簡単に共生現象の始まりを説明できるという利点をもつ。
2)二枚貝と渦鞭毛藻の共生関係の新しい事例の発見。
F.loochooanumにおいてした。
3)化石における二枚貝と藻類の共生関係推定基準の提唱。
オオヒシガイには渦鞭毛藻との光共生に関連して、殻形態にallometryがみられたり、また殻の構造に特殊化がみられる。このような特徴をもとに化石における二枚貝と藻類との共生関係の推定がより確実に行えることを提唱した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Terufumi, OHNO, Tetzuya KATO, Terufumi YAMASU: "The Origin of algal-bivalve Photosymbiosis" Palaeontology. 38. 1-21 (1995)

  • [文献書誌] Terufumi OHNO: "Intra-periostracal calcified needles of the bivalve family Veneridae" Proceedings of the 7th International Biomineralization Congress. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 川上紳一,大野照文: "原生代-古生代境界の地球システム変動と多細胞動物の出現" 地震. 48. 487-508 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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