研究概要 |
1)シロイヌナズナを用いて抽台過程のうち生殖茎頂の形態形成に欠損のある突然変異体単離を目指した。注目する形質は、a)生殖茎頂の伸長欠損、b)生殖茎頂先端の形状の異常、である。その結果、30株以上の突然変異体を単離した。 2)検定交配、相互交配を行った。 下記のグループにつき、以下の突然変異座位を明らかにした。 a)生殖茎頂が伸長欠損する変異 acaulis(acl)1,acl2,acl3,acl4,ac15 b)生殖茎頂の先端が野生型の総状花序ではなく、散房花序様になる変異 erecta(er),corymbosa(crm)1,crm2 erecta(er)変異以外はすべて本研究で確立した。erecta(er)変異も従来の単一突然変異遺伝子(allele)から脱して、5突然変異遺伝子を新たに単離することができた。 3)各突然変異座位を地図上に位置づけた。 4)走査電子顕微鏡を用いて茎頂部の観察を行った。すべての変異体で明らかな形態レベルでの差異は検出できなかった。 5)植物ホルモンの影響を調べる第一歩として外から添加したホルモン処理の影響を調べた。すべての変異体で明確な効果は検出できなかった。 内在レベルの植物ホルモンの効果を検定するために、遺伝的交配により種々のホルモン形成関連突然変異を形態突然変異体に導入している。二重突然変異体の作成途上であり、結果は、未だ得られなかった。 6)acl2 座位の詳細な分子地図を作成した。
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