研究課題/領域番号 |
05454019
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長谷 俊治 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (00127276)
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研究分担者 |
藤田 祐一 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (80222264)
井手口 隆司 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (60203121)
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キーワード | 電子伝達 / フェレドキシン / フェレドキシン-NADP^+還元酵素 / 亜硫酸還元酵素 |
研究概要 |
電子伝達蛋白質であるフェレドキシン(Fd)は、葉緑体において光還元力を無機物同化系酵素群へ分配し、各種の酸化還元反応を進行させる。本年度は、無機物還元同化系酵素の一種である亜硫酸還元酵素(SiR)とフェレドキシン(Fd)-NADP還元酵素(FNR)への光還元力分配の機構を明らかにする目的で、FdとSiR、およびFdとFNR間の電子伝達反応を研究した。 トウモロコシFdの分子表面上の10ヶ所の酸性残基(D27、E30、D58、D61、D66/D67、E71/E72、D85、E93)のカルボキシル基を、個々あるいは2残基同時にアミド基に置換した改変体を作製し、それぞれの酵素との複合体形成や電子伝達効率を解析した。これらの酸性残基のFNRとSiRとの静電的相互作用に及ぼす影響の強さは異なり、D66/D67はFNRとの結合に、E93はSiRとの結合に最も強く関与していることが明らかとなった。 トウモロコシの光合成型Fdと非光合成型Fdの電子分配の機能を、生細胞内で解析できる実験系を構築するため、これらのFdのcDNAをラン藻(P.boryanum)で発現する事を試みた。大腸菌のtrcプロモーター下にFdの成熟体領域のcDNAを挿入したベクターを用いて形質転換したところ、誘導剤存在下でFd遺伝子の発現が起こり、しかも非光合成型Fdを発現した株には顕著な生育阻害が観察された。この阻害は培地にグルコースを加えることで軽減され、異種Fdが発現することにより、光合成炭酸同化系の効率の低下が起こっていると推察された。
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