研究概要 |
生殖機能に重要な役割を演じているペプチドホルモンの受容体の発現調節を解明することを目的とした本研究の平成6年度の成果は以下の通りである。 (1)ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体をコードするcDNAの塩基配列の全長は昨年度報告した。また,その下垂体前葉における発現が生殖腺刺激ホルモン(LHとFSH)産生細胞に限定されていることを確かめた(論文公表済)。本年度はさらに、GnRH受容体mRNAが卵巣・精巣・副腎に発現し、卵巣では濾胞の成熟と閉鎖に関与する証拠を得た(論文印刷中)。 (2)ゴナドトロピン受容体量の調節については,環境因子,特に光による強い影響を受ける野生鳥類を材料として解析した(論文公表済)。鳥類LH受容体のN末端領域をコードするcDNAの塩基配列を決定し,論文として公表した。さらに,LH受容体の膜外領域に対するモノクロン抗体を作成し,エピトープを同定中である。 (3)プロラクチン受容体を哺乳類子宮で同定した(論文公表済)。本年度はさらに,膵臓外分泌腺・内分泌腺に対するプロラクチンの作用を受容体の面から解析した(作用についての論文は公表済)。 (4)その他,GuRH産生細胞の同定,加齢内分泌学に関しても一定の進展を見た。
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