研究課題/領域番号 |
05454023
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
和田 正三 東京都立大学, 理学部, 教授 (04681088)
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研究分担者 |
門田 明雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60152758)
WADA Masamitsu Tokyo Metropolitan University Faculty of Science, Professor
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | シダ / 原糸体 / 成長点 / 光(赤色光) / 分化 / 遠心 / 核 / 分枝 |
研究概要 |
赤色光下で培養した単細胞性のシダ原糸体細胞を白色光下に移し、7時間培養したのち、基部方向に向かって20分2000gで遠心した。原糸体の核は平均して約250um基部に移動し、その後はその近辺に留まった。細胞を遠心後赤色偏光下で培養すると、細胞分裂をした後、先端細胞が十分長い細胞においては、細胞を分ける分裂面の近くで分枝が起こった。先端細胞が短い場合には、元の先端部から成長が再開された。遠心後細胞を暗黒下で培養し、分裂を誘導した後赤色偏光を照射した場合には、核は多少先端方向に移動し、その結果分枝の位置が、先端方向で起こる場合が見られた。この時の核の挙動をビデオで連続録画し、解析した結果、核は分裂直後に細胞分裂面から離れた後、分枝に伴って再度分裂面近くに戻ることが分かった。分枝は核が数十ミクロンも離れている状態で開始されることから、成長点の分化には、核の位置は重要ではないことが示唆された。 分枝に伴う細胞骨格の変化を観察した。赤色光照射前には、微小管、ミクロフィラメントともに成長軸と平行な配列をしている。分枝の開始の少し前になると、将来分枝が発達する位置に表層微小管のリング状構造が一時的に出現する。この構造は細胞分裂の位置を決定するPreprophase bandと同様な配置と一時的発現をするという2点から、非常に興味深い。その後細胞が膨潤を始めると、表層微小管は新たな成長点を頂点とした扇状に広がるパターンをとる。さらに成長が進むと、すでにその存在が確認されている、先端生長をする原糸体の亜先端部に見られる微小管束が出現する。ミクロフィラメントについても、表層微小管同様な配列が観察されるが、微小管ほど鮮明ではない。本研究から、分枝の分化においては、微小管の配向並びに、核の挙動が重要であることが分かった。 この他、先端成長時の核の移動に対する細胞骨格の作用、遠心操作に伴う細胞骨格の変化など、先端成長における成長様式の解析を行なった。
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