研究課題/領域番号 |
05454030
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉山 純多 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (80142256)
|
研究分担者 |
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 進化遺伝部門, 助教授 (30192587)
|
キーワード | 高等菌類 / 系統解析 / 分子進化 / 分子系統 / 菌類分子系統分類学 / Archiascomycetes |
研究概要 |
(1)子嚢菌類のTaphrina属基準種Taphrina populina、及びProtomyces lactucaedebilis の核18S rRNA遺伝子の塩基配列を決定し、DNAデータベースに登録されている他の高等菌類75種と比較・解析した。その結果、子嚢菌類が、子嚢菌酵母(Hemiascomycetes)と糸状子嚢菌類(Euascomycetes)に進化上分岐する以前に、Taphrina、Protomyces、Saitoella、Schizosaccharomyces、Pneumocystisはその共通祖先から分岐していたことが明らかになった。この新大系統群に対して古生子嚢菌類(Archiascomycetes)を創設し、上記の菌類をそこに含めることを提唱した。これに関係する原著論文をMycoscienceに投稿、受理された。 (2)担子菌酵母Kondoa malvinella、Rhodosporidium dacryoidum、及びアナモルフ酵母Sympodiomycopsis paphiopediliの18S rRNA遺伝子の塩基配列を決定した。既知高等菌類34種のデータと比較し、系統樹を作成した結果、担子菌類酵母を含む担子菌は3大系統群に分かれ、それらは菌糸隔壁孔の微細構造や菌体糖組成による群別と高い相関性が認められた。これに関係する原著論文をMycoscienceに投稿、受理された。 (3)下等菌類ハエカビ類の系統と分子進化を調べることを目的に、接合菌亜門のうち、ハエカビ目(Entomophthorales)の4代表種とトリコミケス菌類Smittium culisetae(ハルペラ目)の18 rRNA遺伝子の塩基配列を決定した。それらに既知の10塩基配列を加え解析した結果、ハエカビ目の4種は2つのクラスターに分かれ、S.culisetaeはハエカビ目の分岐近くに位置した。これに関係する原著論文をMycologiaに投稿、受理された。 (4)分子系統樹作成及び系統解析に関係する研究を行った。以上のうち、(1)〜(3)までは杉山が、(4)は斎藤が分担した。
|