研究課題/領域番号 |
05454040
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷坂 隆俊 京都大学, 農学部, 助教授 (80026591)
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研究分担者 |
井上 博茂 京都大学, 農学部, 助手 (40260616)
中崎 鉄也 京都大学, 農学部, 助手 (60217693)
奥本 裕 京都大学, 農学部, 講師 (90152438)
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キーワード | イネ / 量的形質 / 突然変異 / RAPD / 遺伝子分析 |
研究概要 |
ガンマ線や突然変異誘発遺伝子(mutator)によって誘発された多数の出穂期、稈長および粒型突然変異系統と原品種、および突然変異系統との原品種と交雑F_2個体のゲノムDNAを、植物体の葉身からCTAB法によって抽出した。次いで、一部の突然変異系統(100系統)について、DNA合成装置(平成5年度補助金により購入)によって合成した約200種類のプライマー、並びに約100種類の既製のプライマー(オペロン社製)を用いて、PCRを実施し、増幅DNA部位多型(RAPD)が存在するか否かを調査した。その結果、約半数の出穂期および稈長突然変異系統が原品種との間に明らかなRAPD部位をもつこと、またRAPD部位は1プライマー当たり約10^<-1>の確率で検出しうることが明らかになった。しかし、約半数の出穂期および稈長突然変異系統および粒形突然変異系統に関しては明瞭なRAPD部位が観察されず、他種類のプライマーを用いる必要のあることが示された。また、一部のF_2集団では出穂期および稈長突然変異系統とRAPD部位が共分離することも明らかになった。以上の結果と、同一材料に関して行った制限酵素断片長多型(RFLP)分析の結果から、イネ量的形質の遺伝解析、並びにその選抜にはRFLP法よりRAPD法を用いる方がはるかに効率的であること、しかし、RAPD法を育種の実践に移すためには、なおより多くのプライマーについての情報を得るとともに、より多くのバンドを検出しうるPCR法の開発が必要であることが示唆された。なお、上記実験とは別に、次年度に実施予定のRAPD部位と突然変異遺伝子との組換価の推定に関する実験に供すべき、多数の突然変異系統と原品種間、並びに一部の突然変異系統と原品種(すべてジャポニカ品種)およびインディカ品種間の交雑F_1植物を多数養成した。
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