研究課題/領域番号 |
05454041
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 北海道大学 (1995) 国立遺伝学研究所 (1993-1994) |
研究代表者 |
佐野 芳雄 北海道大学, 農学部, 教授 (70109528)
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研究分担者 |
犬飼 剛 北海道大学, 農学部, 助手 (90223239)
高牟禮 逸朗 北海道大学, 農学部, 助手 (90179557)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 遠縁交雑 / 野生イネ / 外来遺伝子 / 遺伝子給源 / 植物育種 / 遺伝子評価 |
研究概要 |
野生種の持つ有用遺伝子を積極的に育種に利用することに大きな期待が寄せられている。本研究では、野生および栽培イネの間で起こる交雑不親和性の遺伝を明らかにすると共に、野生イネの第7染色体断片に含まれる適応的遺伝子の解析を行った。第6染色体上には一方向的な交雑不親和性を支配する遺伝分化が存在する。この領域のみをもつ多数の準同質遺伝子系統を作成して遺伝解析した結果、交雑不親和反応は少なくとも3遺伝子が関与するものと考えられた。これら3遺伝子はいずれも第6染色体に座乗して遺伝子複合体を形成しており、含有される遺伝子の種類によって複雑な交雑不親和性現象が起きると考えられる。また、今回初めて3遺伝子による交雑不親和性遺伝モデルを構築することが出来た。構築された遺伝モデルは意外にも重複受精における雌側・雄側配偶子の機能分化を示唆するものと考えられた。すなわち、雌雄両生殖細胞で特異的に発現し受精過程または胚発生初期過程で他方の性由来の因子と作用しあうことが正常な胚発生に必須であって、両者の異常な反応が正常な胚発生を阻止すると仮定することによって一方向的交雑不親和性は説明されるようである。 第7染色体上にも野生イネの適応に関するわい性や感光性遺伝子が見出された。わい性は一年生野生イネ同様栄養生長時のみに発現し、優性の感光性遺伝子とともに赤米遺伝子に連鎖していた。この領域にも適応性に関与する遺伝子複合体が形成されていた。この領域は栽培品種との雑種後代では急速に排除されてしまう傾向にあり、その原因が赤米遺伝子近傍に存在する受精競争遺伝子であることが判った。
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