研究課題/領域番号 |
05454042
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
喜久田 嘉郎 北海道大学, 農学部, 教授 (90001445)
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研究分担者 |
藤野 介延 北海道大学, 農学部, 助手 (80229020)
幸田 泰則 北海道大学, 農学部, 助教授 (20002355)
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キーワード | 遺伝子導入 / エレクトロポレーション / プロモーター解析 / トランジェントアッセイ / GUS活性 / Oryza sativa / Solanum tuberosum / Nicotiana tabacum |
研究概要 |
現代の作物研究において最重要課題は器官特異的発現を誘導するプロモーターの解析である。本研究では、エレクトロポレーションによってプロトプラストに遺伝子を導入し一過的発現を調査し、植物の種や組織による、いくつかのプロモーターの発現能力の特性について検討した。組織や環境に特異的に発現するプロモーターの解析は、形質転換植物を用いて行うことが多いが、形質転換植物を作成するには、かなりの時間を要するため研究目標の適切な設定と能率的な遂行が要求される。このため、一過的発現系を開発し、短期間で、あらかじめプロモーターのスクリーニングをしたり、プロモーターの発現能力を予測することは非常に有効である。 バレイショ葉肉プロトプラスト、タバコ葉肉プロトプラスト、ダイズ培養細胞プロトプラスト、ニンジン培養細胞プロトプラストを用いて、電気容量125μF電圧600Vの条件で遺伝子を導入し、プロモーターの発現量を比較したところ、GUS活性の高かった順にNOS、35S、PKPI、Act-1、Controlとなった。一方イネ培養細胞プロトプラストでは、Act-1、35S、NOS、PKPI、Contro1の順を示した。 イネ培養細胞プロトプラストで発現量の多かったAct-1は、単子葉植物のイネ由来のプロモーターであるため、同じ単子葉植物であるイネにのみ、高い発現量を示したものと考えられる。NOSはアグロバクテリウム由来の、35Sはカリフラワーモザイクウイルス由来のプロモーターであり、どちらも双子葉植物を宿主とする病原菌由来のプロモーターである。また、PKPIは、双子葉植物であるバレイショ由来のプロモーターである。このため、イネ以外のプロトプラストでは、これらの発現量が多かったと考えられる。
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