本研究の目的は、糖濃度の増加をもたらす機構として、成熟期間に多糖が加水分解して少糖濃度が増加する一方、通道組織の機能低下による水の流入低下が生ずるという、2つの条件が満たされるためではないかと考えたが、その考えを確かめることにある。 本年度は、成熟過程にあるキウイフルーツの果実を一定の日数ごとに採取し、果実当りの水分量、多糖及び少糖の量の変化を調査することが主な実験である。現在、分析を実施しているところである。 また、果実を樹体から切り離した場合の影響については、予定していた方法とは違う方法に変え、果梗を切断後、果実をできるだけ着果していたときと同じ位置に保ち、また、直射日光を避けるために紙袋をかぶせた。このように方法を変更したのは、比較の対照となる着果している果実と、切断した果実の温度差をできるだけ小さくするためであった。 分析は現在実施しているところである。しかし、夏の気象条件は果実の発育によいものではなかったようで、果実は例年より小さく、また、糖濃度も全体的にやや低いようである。そのため、来年度にも同様な試験設計の調査を繰り返す必要があると考えられる。 モモの果実については、調査を予定し果実が激しい生理的落果を示し、予定したような果実の採取ができなかった。来年度のもう一度実験を行なう予定である。
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