Alternaria brasscicolaとColletotrichum higginsianumのアラビドプシスへの感染性試験を行った。アラビドプシス、コマツナ、ダイコン、およびアブラナ科植物でないキュウリ、ニンジンに対し、アブラナ科植物に特異的に感染するA.brassicicola、C.higginsianumおよび、ニンジンに感染するA.radicina、キュウリに感染するC.lagenariumをそれぞれ接種した。その結果、 1.A.brassicicola、C.higginsianumとダイコン、コマツナ、A.radicinaとニンジン、C.lagenariumとキュウリの組み合わせでは菌の侵入、病徴の進展がみられた。 2.A.brassicicolaとシロイヌナズナの組み合わせでは菌は侵入はするが病徴の進展が著しく抑制された。 3.C.higginsianumとシロイヌナズナの組み合わせでは菌は侵入するが、病徴進展に関しては接種状況により変動がみられた。 4.A.brassicicola、C.higginsianumとキュウリ、ニンジン、A.radicina、C.lagenariumとシロイヌナズナ、コマツナ、ダイコンの組み合わせでは菌は侵入しなかった。 これらの結果、特定の菌に対して、侵入をゆるさない非宿主植物、侵入はゆるすが、菌を認識し何らかの防御機能が働いて植物体内での菌の生育を抑制する抵抗性宿主植物、侵入、進展をゆるす感受性宿主植物の3種類に類別できた。アラビドプシスはA.brassicicolaに対しては菌の侵入は受容するもののその後の菌糸の伸展で抑制することから一種の抵抗性宿主と考えることが可能である。この視点から菌の伸展抑制に関与している遺伝子の欠損したアラビドプシス変異株の選抜を進めている。
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