研究課題/領域番号 |
05454077
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井出 雄二 東京大学, 農学部(林), 助教授 (90213024)
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研究分担者 |
小島 克己 アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
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キーワード | 乾燥耐性 / ポプラ / 組織培養 / 遺伝子保存 |
研究概要 |
本研究では、収集したポプラクローンの保存、バイオテクノロジー研究のポプラ育種への活用を目的に、組織培養によるポプラのクローン増殖法、カルス培養法、プロトプラスト培養法の確立および乾燥、塩基性土壌、塩類集積土壌など乾燥地における環境ストレスに対するポプラクローンの反応を試験管内でスクリーニングする方法の確立を図った。 前年度までに、中国の乾燥地に生育するポプラと既存のポプラ品種の組織培養によるクローン増殖法を確立したが、本年度は、より効果的な継代培養方法、vitrificationの回避などに重点を置き研究を進めた結果、安定したポプラの培養が可能になった。これにより、日本の野外で健全な生育の望めない乾燥地のポプラの系統保存が可能になったほか、広大な敷地を必要とした温帯性ポプラの系統保存も実験室内で行えるようになった。 さらに、胡楊(Poplus euphratica)、毛白楊(P.tomentosa)、毛新楊(P.alba cv.Pyramidalis×P.tomentosa)とFS-51(P.maximowiczii×P.nigra)について、各種ストレスに対する耐性を、in vitroで培養したシュートを用いて調べた。その結果、高浸透圧、高NaCl、高pHのいずれの条件下でも胡楊が最も高い耐性を示すことが明らかになった。 収集保存したポプラの遺伝子資源としての利用を図るために、プロトプラスト培養法を検討しコロニー形成の可能性を指摘し、細胞レベルでの育種への手がかりを得ることができたが、さらに、細胞レベルでの耐性を検討するために今年度はカルス培養系の誘導と植物体再分化について検討し、その方法を明らかにした。
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