研究概要 |
1993年度に温帯性タケ類としてマダケとモウソウチク、熱帯性タケ類としてホウライチクを選び、冬季における総光合成速度、純光合成速度、呼吸速度、葉緑素量(SPAD値)をそれぞれ測定した。そこで、今年度は前年度に測定出来なかった春季から秋季にかけての同様の測定項目を島津携帯式光合成蒸散測定装置(SPB-H3)を用いて測定した。なお、上記3種のタケの他に本年度はらにタケ6種とササ2種の光合成速度も測定した。 まずマダケ、モウソウチク、ホウライチクについての光合成速度は各種とも冬季にマ-キングした葉を用いて測定した。4月から5月にかけての総光合成速度の最大値はそれぞれマダケで11.1umol/m^2/s、モウソウチクで8.8umol/m^2/s,ホウライチクで7.8umol/m^2/sであった。これらの値は11月下旬、12月上旬における測定時とほぼ同じであった。マダケとホウライチクの新葉の総光合成速度の最大値はそれぞれ13.9umol/m^2/sと7.1umol/m^2/sで、それほど変わらなかった。 光-光合成曲線によると、光合成速度は3種とも1000〜1200umol/m^1/s(光合成有効日射量)で飽和した。 8月にマダケの純光合成値を8時から18時まで経時的に測定して、1日の純光合成総量(CO_2mol/日)を求めたところ0.156であった。また、暗呼吸速度は2.0umol/m^2/sであった。 11月中旬に静岡駿東郡裾野町にある富士竹類植物園で上記以外のタケ3種とササ2種の光合成速度を測定したところ、各種とも本学植物園の測定値とほぼ同じ値であった。
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