本研究費補助金によって初年度に購入した携帯式光合成蒸散測定装置を用いて測定を行ったが、たゞ附隨するリ-フチャンバーの受光部をそのまゝでは利用したがいので、タケやササの葉形に利用しやすいように改良した。本年度はこれまで得られた日本産のタケ類と比較するために主として熱帯産のタケ類について測定した。これらは気候条件の違いから、一般に冬季は温室内で保育されているが、測定日は外気温にさらしても良い条件が得られたので、一日中の測定を野外で行った。種は日本産ヤダゲ以外に熱帯産のもの7種であったが、育苗中の養分補給がかなりクロロフィル量に効果を示し、Dendrocalamus gigantiusが光合成を行っていたのに対し、他の種は殆どカセギがなく、光合成量と呼吸量との間に平衡関係がみられた。ヤダケについては光合成によるカセギがあり、D.gigatiusと同様な傾向がみられた。 こうした成果から、夏のこれら熱帯産タケ類の光合成能を知る必要があると思われた。
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