研究概要 |
今回、三倍体といわれるスギ精英樹41クローンを全国から収集し、そのうち9品種のスギ精英樹三倍体クローンについて詳細な核形態学的研究を実施した。その結果、村上市2号、真庭5号、福田3X、日田16号は、3X=33の三倍体であり、F染色体は3本とも中部動原体型で、三倍体0型を示した。 玖珂1号、九林3Xは、3X=33の三倍体であり、F染色体は2本が中部動原体型、1本が付随体を有する二次狭窄型染色体であり、三倍体の中でいまだ検出されていない三倍体I型であった。 鳥大1号、日田18号は、3X=33の三倍体であり、F染色体は1本が中部動原体型、2本が付随体を有する二次狭窄型染色体で、三倍体II型の核型を示した。 スギ科樹木は核形態学的見地から次の4つのグループに大別された。 GroupI: nipple fromのshort armとconnecting fiber、大型のtrabantから成る二次狭窄を有する染色体一対が存在する。Cryptomeria japonica, C. fortunei, Glyptostrobus pensilis, Taxodium distichum, T. ascendens, Sequoiadendron gigantium, Taiwania cryptomerioides, Metasequoia glyptostroboides Group II:末端小粒付随体から成る二次狭窄を有する染色体が存在する。Cunninghamia lanceolata, Sequoia sempervirens Group III: Group IとIIにみられる特徴的な二次狭窄を有する染色体が存在する。Taxodium mucronatum Group IV: GroupI, IIおよびIIIにみられない二次狭窄を有する染色体が存在する。Athrotaxis cupressoides, A. laxifolia, A. selaginoides 各Groupにおける二次狭窄を有する染色体数と一細胞当たりの核小体の最大数は一致した。
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