研究課題/領域番号 |
05454089
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大方 昭弘 東北大学, 農学部, 教授 (50241550)
|
研究分担者 |
伊藤 絹子 東北大学, 農学部, 助手 (90191931)
片山 知史 東北大学, 農学部, 助手 (30224455)
本多 仁 東北大学, 農学部, 助手 (90165613)
大森 迪夫 東北大学, 農学部, 助教授 (60152253)
菅原 義雄 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (20005614)
|
キーワード | アミ類 / 食物摂取 / 転化効率 / 成長 / 産卵 |
研究概要 |
仙台湾砂浜水域の波打ち際斜面に生活するアミ類の一種Archaeomysis kokuboiについて、摂取食物の体物質への転化効率を求めるための飼育実験を行った。実験方法として二通りの方法を採用し、両者の長短を比較検討した。 1)生まれた直後のA.kokuboiの幼体から出発し、成体に達するまで10、15、20℃の各温度条件のもとでアルテミアの幼生を食物として投与し、食物摂取量と生長量との関係を乾重量比で求めた、頭胸甲長を小1.0-1.5、中1.5-2.0、大2.0-2.5に区分し、各温度別の転化効率を比較すると、いずれの区分においても15℃の場合に最も効率は高く、次に20℃、10℃の順であった。15℃の場合、小は24.6-44.2%、中は15.4-36.4%、大は8.9-13.8%であり、成長とともに効率は低くなる。 放射性同位元素^<14>Cでラベルしたアルテミア-定量をA.kokuboiに投与し、時間経過に伴う投与量と体内残留量の比を求めると、12時間後52%、24時間後38%であった。 この二つの測定法による転化効率の差異は、前者が食物および体物質の重量比であるのに対して、後者では生体物質中の炭素のみに着目した数値であることによる。後者は短時間で結果が得られる利点があるが、食物の成分全体についての効率ではない点に注意する必要がある。 2)A.kokuboiの頭胸甲長組成のモード追跡および雌育房内のはいの発育状態の観察により、年間少なくとも6発生群あることが確認された。このうち4月-6月の暖候期に生まれたものは成長が速く小型の状態で産卵し、11月-1月の冬季に生まれたものは成長が遅く、春季には大型群となって産卵に参加する。すでに産卵して育房内に卵または胚を有する雌の卵巣を調べてみると、常に卵が保有されているので、アミ1個体は1生に少なくとも2回以上産卵することは確からしい。
|