昨年度に引き続いて、農業農村整備を田園都市形成として実現するために兵庫県篠山町、豊岡市、ならびに滋賀県安曇川町を調査地区に選定して、景観の保全と都市機能の形成を目的に、基本的な整備計画手法を画像処理解析、CADシステムを導入して基礎的分析とシステム解析を行った。今年度は特に、安曇川町田中三尾里地区における大区画圃場整備計画を作成し、区画、農道、潅漑排水施設の配置と圃場排水施設の具体的な水理計画を行った。また、圃場整備手法を用いた土地・水資源の利用調整の方法についても検討を試みた。 主な検討項目は次の通りである。 1.農業生産の安定・維持(大区画化、大規模経営の実現) 2.水田・山地の田園風景の構成・保全 3.自然動植物の生息空間の形成、用水路のビオトープ 4.水質汚濁原因の除去 なお、CADシステムは、大区画汎用化水田のための整備計画・設計に際し、その方法は大いに有用である。また、圃場整備手法による土地利用計画のコンピュータシステムの導入は期待できる。しかし、現在保有しているが画像システムは容量不足、機能不足で、その実用化について検討を試みているところである。圃場排水施設の水理設計についても、CADシステムを利用して、水田整備計画・設計の中で一貫して行えるように検討していく予定である。
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