研究地域の設定と研究協力者グループの結成 和歌山県橋本市柱本地区、大阪府八尾市神立地区において、それぞれ16人及び18人の、地元自治体職員、学校教員、会社員、学生、自然保護団体会員等から成る研究協力者グループを結成し、ボランティア・リーダーとして登録した。現場活動を実施すると、参加者の中から情熱ある強力な協力者の発掘できることが明らかとなった。 伝統的技術手法の調査と記録 里山・田園地域の景観と生物環境を維持・管理する上で必要な、伝統的な棚田の石積み手法、年間の農作業の手順、里山の維持・管理手法について、地元の区長及び古老等を対象に聞き取り調査を行った結果、積極的な協力が得られ、橋本市柱本地区では7人、また八尾市神立地区では2人を保全技術訓練の指導者として登録した。 英国BTCVについて、資料の訳と分析 これまでに“Organising a local conservation group"の訳を修了し、現在は“Woodlands-a practical handbook"を翻訳中である。前者により地域保全グループの組織・運営手法の具体的な戦略が明らかとなり、また後者からは種の多様性に配慮した雑木林等の森林の保全・管理手法について、参考となる知見が得られつつある。 4.保全技術訓練コースの企画と実施 里山管理に必要な伐採、下刈りと、棚田の石積み工について、2泊3日の技術訓練コースを上記の地元の技術登録者の指導で、橋本市柱本地区では26人、八尾市神立地区では33人の参加により実施し、人材の発掘と養成、ならびにシステム開発の上で大きな成果が得られた。
|