研究概要 |
森林,畑地において表面温度を測定した.またランドサットデータを用いて,植生の変化による地域気象の予測式を計算した.測定結果を利用して表面温度と気温と関係式を計算した.また,衛星通過時間と日平均気温の関係を調べた.ノア衛星の通過時間(約02:00)と最低表面温度の関係について解析した結果,最低表面温度の出現時間は日の出時間に約10〜30分早いことが判明し,ノア通過時間から最低表面温度までは畑地では0.6℃/hr,森林では0.7℃/hrの割合で低下する。この関係を使用して最低表面温度を推定し,さらに最低気温度推定できる.また,ランドサット通過時間(09:30)の表面温度(T9)と平均表面温度(Tsm)の関係について回帰式を計算した.その結果,畑地についてTsm=0.38T9+10.72,森林についてTsm=0.82T9-2.31の関係が得られた. 植生の変化による地域気象の予測式については,北海道石狩・勇払平野について計算した.1kmx1kmのメッシュ内の土地利用割合が変化したときの計算式を用いて,森林が100%畑地,100%水田,100%市街地などに変化したとき地表面温度を予測した.1993年7月8日の例では畑地は3.2℃,水田は1.1℃,市街地は8.6℃地表面温度が上昇する.これらの関係を利用して,植生が変化したときの平均気温の変化の予測が出来る.また,地表面温度を標準化してこれらの回帰係数を比較した.その結果,土地利用によって回帰係数は一定値を示す.そのため回帰係数の変化によって土地利用変化が調べられる.
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