研究課題/領域番号 |
05454109
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 康之 東北大学, 農学部, 教授 (90005637)
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研究分担者 |
小田 伸一 東北大学, 農学部, 助手 (60211827)
庄司 芳男 東北大学, 農学部, 助手 (60005642)
加藤 和雄 東北大学, 農学部, 助教授 (60091831)
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キーワード | ヒツジ / GH / VFA / ルーメン / 採食 |
研究概要 |
去勢雄ヒツジ7頭に、ルーメンカニューレおよび頸動脈ループを装着し、以下の実験に供試した。採血は頸静脈よりおこない、GH測定はRIAでおこなった。結果は以下の通りである。 1)GH分泌パターンの日内変動 24時間にわたって採血し、PULSAR解析を行った結果、24時間当たりのGHパルス発生率、平均GH濃度、及びパルス1個の持続時間は、それぞれ、約10回、2.4ng/ml及び47分であった。採食(ルーサーンを体重の2%給与)によって、血漿GH濃度は検出限界以下まで速やかに低下し、パルスの発生率も有意に減少した。回復には、少なくとも6時間以上を要することが明らかとなった。 2)GRF(0.1μg/kg)の静脈内投与は、血漿GH濃度を、採食前では最高値33.5ng/mlまで一過性にかつ有意に上昇させたが、採食後の最高値は17.3ng/mlであった。この結果は、GRF刺激によるGH分泌は、採食後に有意に低下することを示している。 3)VFAのルーメン内投与(100μmol/kg/min)によって、血漿基礎GH濃度は、投与開始から減少し始め、投与2時間以降に有意な低下となった。GRF刺激による血漿GH濃度の増加は、VFAのルーメン内投与によって、有意に低下した。 4)ルーメン内に投与したVFAの中では、酢酸が通常の採食後に見られる濃度増加程度でGH分泌を抑制している可能性が示唆された。 以上の結果から、ヒツジの血漿GH濃度は採食に伴って低下し、その原因の一つとして、採食によるルーメン内VFA濃度の増加が関与する可能性が示唆された。
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