研究課題/領域番号 |
05454109
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 康之 東北大学, 農学部, 教授 (90005637)
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研究分担者 |
小田 伸一 東北大学, 農学部, 助手 (60211827)
庄司 芳男 東北大学, 農学部, 助手 (60005642)
加藤 和雄 東北大学, 農学部, 助教授 (60091831)
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キーワード | ルーメン / VFA / 反芻動物 / 下垂体 / ホルモン |
研究概要 |
採食行動は反芻動物の多くの生理諸元に変化を起こす。たとえば、採食に伴う血漿浸透圧の上昇、血液pHや尿量の低下などが知られている。さらに、最近になって、内分泌機能の変動も知られるようになった。すなわち、反芻動物の生産性と深い関わりのある下垂体前葉ホルモン分泌に関しては、成長ホルモン(GH)が採食後に低下することが知られている。本年度の研究目的は、プロラクチン(PRL)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)に関して、採食後の変化を測定し、その変動と第一胃内VFA濃度増加との関連性を検討することである。 去勢雄ヒツジ6頭を供試した。体重の2%に相当するアルファルファ・ヘイ・キューブを、一日に一回、12時に給餌した。採血は、頸静脈より15分間隔で行った。血漿中のホルモン濃度は、二抗体法によるラジオイムノアッセイにより行った。 1.採食に伴うPRLおよびTSH基礎濃度の変化 採食に伴うPRL基礎濃度の変化を測定した結果、PRLは採食2時間以降に有意に増加することが明らかとなった。しかし、TSH濃度は、採食によって変化を起こさなかった。 2.採食に伴うTRH刺激PRLおよびTSH分泌の変化 TRH(0.1、1.0、5.0μg/kg)を投与すると、投与量依存性にPRLおよびTSH分泌が増加したが、採食による影響は認められなかった。 3.第一胃内VFA注入によるPRLおよびTSH基礎濃度の変化 100μmol/min/kgの注入速度で混合VFAを第一胃内に注入した場合、PRLおよびTSHの基礎濃度は有意には変化しなかった。 4.第一胃内VFA注入によるTRH刺激PRLおよびTSH分泌の変化 100および200μmol/min/kgの注入速度で混合VFAを第一胃内に注入した場合、TRH刺激によるPRL濃度増加は高注入時にのみ有意に増加した。
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