研究概要 |
(1)精製鶏脂肪組織リポプロテインリパーゼ(LPLase)をBALB/cマウスに計5回投与して免疫感作を行い、ミエローマ(P3x63-Ag.8.653)と融合させてハイブリドーマを作成した。10,772個のハイブリドーマより鶏LPLaseと親和性を持つ抗体を産生する細胞を24株クローニングした。採取したモノクローナル抗体(LPLA-1〜24)はProteinAカラムを用いて精製した。 (2)鶏LPLase活性阻害試験をin vitroで行ったとろ、LPLA-10,14,16は無添加時の25%以下とリポプロテイン分解活性を著しく阻害した。 (3)LPLA-16の鶏静脈投与(1mg/kgBW)では摂食・絶食いずれの条件下においても投与後6時間で血漿中トリグリセリド(TG)濃度が投与前の約3倍に上昇し、24時間後までその濃度が持続した。一方、LPLA-10はTG濃度を上昇させたが、24時間後には投与前の約2倍とやや低下する傾向にあった。 (4)抗体(LPLA-16)の長期間投与を行ったところ、翼下静脈一日一回投与でも浸透圧ポンプによる連続投与でも血漿中TG濃度は投与前に比べ約3倍と高い値を示し、7日目で投与前のレベルに低下した。投与後7日目の鶏脂肪組織LPLase活性は、一日一回投与区、連続投与区のいずれも対照区に比べ低い値(約20%)を示したが、一日一回投与区での低下が著しい傾向を示した。以上の結果より、モノクローナル抗体投与で鶏脂肪蓄積制御が可能であると推測された。
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