1993 年度実績報告書

ルーメンプロトゾアのリジン合成酵素遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号	05454113
研究機関	宮崎大学
研究代表者	小野寺良次宮崎大学, 農学部, 教授 (60040862)
研究分担者	富田純史宮崎大学, 農学部, 助教授 (70113230)
キーワード	ルーメンプロトゾア / cDNAライブラリー / ジアミノピメリン酸脱炭酸酵素 / Entodirium caudatum / RNA / mRNA / CysAジーン塩基配列 / E.caudatum 山羊
研究概要	平成5年度は、ルーメンプロトゾア発見150年目でもあり、また、ルーメンプロトゾアの遺伝子解析に世界で初めて筆者らが本格的に着手した年でもあり、記念すべき年となった。さて、平成5年度の研究計画・方法に記した通りに研究を進めたが、アノトバイオート培養しているEntodinium caudatumのmRNA量が100ng/gプロトゾア程度ときわめて低いことが分かり、そのために、cDNAライブラリー作製に要するmRNA量(5mug)がなかなか得られず、研究が少し遅れ、まだcDNAが作製できていない。他方、牛及び山羊のルーメン内容物から集めた混合プロトゾアからは、平均でそれぞれ、300及び50mug/gプロトゾアにも及ぶ多量のmRNAが得られることが分かった。そこで、mRNAを十分に含む虫体が得られるように、計画を少し変更して、山羊のルーメンからプロトゾアを完全に除去した後、これに E.caudatum のみを接種し、現在、in vivo でこの種を増殖させている。現在10^6/ml近くまで虫体密度が上がっているので、間もなくこのプロトゾアを用いてmRNAの精製を行う予定である。そして、当初計画通りcDNAライブラリーが作製できると考えている。すなわち、E.coli の培養に要するクリーンベンチ、安全キャビネット及び恒温振盪培養機が平成5年度の本研究予算で購入できたので、実際にこれを使用して混合プロトゾアからcDNAライブラリーをすでに作製できたからである。平成5年度は、上記の他、すでに購入済みのDNAシンセサイザーを用いて予定通りバクテリアのlysAジーンの塩基配列のうちの共通性の高い領域のオリゴヌクレオチドの合成を試み、それらをうまく合成できることを確認した。このように平成5年度は必要な基礎技術を一通り確立した。

研究成果
(8件)

すべてその他

すべて文献書誌 (8件)

[文献書誌] 小野寺良次: "ルーメンプロトゾアの遺伝子解析への挑戦" ルーメン研究会報. 3. 23-26 (1992)
[文献書誌] D.P.Morgavi: "In vitro metabolism of chitin and protein from ruminal fungi by ruminal protozoa." Animal Science and Technology(Japan). 64. 584-592 (1993)
[文献書誌] K.Okuuchi: "In vitro metablism of tryptophan by rumen microorganisms:The interrelationship between mixed rumen protozoa and bacteria." Animal Science and Technology(Japan). 64. 1079-1086 (1993)
[文献書誌] K.Okuuchi: "Effects of salinomycin on the production of tryptophan,skatole and their related compounds by rumen bacteria,protozoa and their mixture." Animal Science and Technology(Japan). 64. 1087-1093 (1993)
[文献書誌] T.Nagasawa: "Chiral high-performance liquid chromatogaphic separation of the three stereoisomers of 2,6-diaminopimelic acid without derivatisation." Journal of chromatography. 653. 336-340 (1993)
[文献書誌] 小野寺良次: "ルーメンプロトゾアのcDNAライブラリーの作製" ルーメン研究会報. 4. 11-18 (1993)
[文献書誌] 小野寺良次: "家畜栄養学" 川島書店, 340 (1993)
[文献書誌] 小野寺良次: "牛はどうやって草からミルクをつくるのか-ルーメンの秘密-" 新日本出版社, 164 (1990)

1993 年度 実績報告書

ルーメンプロトゾアのリジン合成酵素遺伝子の解析

研究代表者

小野寺 良次 宮崎大学, 農学部, 教授 (60040862)

研究成果

[文献書誌] 小野寺良次: "ルーメンプロトゾアの遺伝子解析への挑戦" ルーメン研究会報. 3. 23-26 (1992)

[文献書誌] D.P.Morgavi: "In vitro metabolism of chitin and protein from ruminal fungi by ruminal protozoa." Animal Science and Technology(Japan). 64. 584-592 (1993)

[文献書誌] K.Okuuchi: "In vitro metablism of tryptophan by rumen microorganisms:The interrelationship between mixed rumen protozoa and bacteria." Animal Science and Technology(Japan). 64. 1079-1086 (1993)

[文献書誌] K.Okuuchi: "Effects of salinomycin on the production of tryptophan,skatole and their related compounds by rumen bacteria,protozoa and their mixture." Animal Science and Technology(Japan). 64. 1087-1093 (1993)

[文献書誌] T.Nagasawa: "Chiral high-performance liquid chromatogaphic separation of the three stereoisomers of 2,6-diaminopimelic acid without derivatisation." Journal of chromatography. 653. 336-340 (1993)

[文献書誌] 小野寺良次: "ルーメンプロトゾアのcDNAライブラリーの作製" ルーメン研究会報. 4. 11-18 (1993)

[文献書誌] 小野寺良次: "家畜栄養学" 川島書店, 340 (1993)

[文献書誌] 小野寺良次: "牛はどうやって草からミルクをつくるのか-ルーメンの秘密-" 新日本出版社, 164 (1990)

1993 年度実績報告書

小野寺良次宮崎大学, 農学部, 教授 (60040862)