研究課題/領域番号 |
05454130
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山根 國男 筑波大学, 生物科学系, 教授 (20013336)
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研究分担者 |
中村 幸治 筑波大学, 生物科学系, 講師 (40212097)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 枯草菌 / 蛋白質分泌 / ヒト SRP 7S RNA / 枯草菌scRNA / シグナル認識粒子 / Ffh, SRP54類似物 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
枯草菌および類縁菌は非常に高い蛋白質分泌能を持ち、洗剤用プロテアーゼや澱粉糖化用α-アミラーゼの工業的な生産菌として利用されてきている。この高い蛋白質分泌能を維持するためには何か特別の蛋白質分泌装置を内在させている可能性が考えられる。一方高い分泌能を遺伝子工学的に利用して、ヒト血清アルブミンやインターフェロンなどの有用蛋白質を分泌させる試みが数多くなされてきた。しかし真核生物に由来する蛋白質の遺伝子を枯草菌に導入した場合、その遺伝子は発現しても遺伝子産物が培養液中に蓄積することには成功していない。またこの目的のために多くのプロテアーゼ欠損株が開発され、培養条件なども詳しく解析されたが、どの場合も充分には目的を達していない。そこで本研究では、枯草菌に含まれるシグナル認識様粒子(SRP-like particle)に着目し、第一に枯草菌の蛋白質分泌装置の特色を解析し、第二にその結果を基礎に菌の改良を行うことを目的とした。ヒトSRPの構成成分の一つであるSRP 7S RNAは300ヌクレオチドから成り、また大腸菌におけるその類似RNAである4。5S RNAは114ヌクレオチドから構成される。しかし枯草菌scRNAは271ヌクレオチドからなり二次構造上もヒト SRP 7S RNAに類似している。しかも枯草菌scRNA欠損変異株にヒト SRP 7S RNA遺伝子を導入し、発現させると、枯草菌の生育が相補できることを明らかにした。そこで枯草菌SRP様粒子の単利・精製を試み、本粒子がscRNAと3種類の蛋白質成分からなっていること、また本粒子の大きさは8。2Sであることあきらかにした。また蛋白質構成成分のうち50kDa成分はヒトSRP 54と類似しており、scRNAおよび分泌蛋白質前駆体の両方に結合することを明らかにすることができた。これらの研究成果および突然変異株の解析を基に枯草菌蛋白質分泌装置の改良を行う予定である。
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