高等植物、コマツナ(Brassica campestlis L.)抽出液中より、イオン交換クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー、疎水カラムクロマトグラフィー法などにより植物起源のプロテインキナーゼ(PKC)を精製した。本酵素は、カルシウム存在下、ジアシルグリセロールでは活性化された。また、ホルボールエステルでも明らかな活性化が認められた。本酵素は、ラッと抗プロテインキナーゼC(γPKC)抗体と免疫交叉反応し、推定分子量は約75kDであった。我々は、平成5年度の研究において、高等植物においては、世界で初めて、PKCの存在を明らかにした。高等植物ではカルシウムのみに依存する、いわゆるカルシウム依存性キナーゼが主に存在し、今までその影に隠れて植物由来のPKCが分離されていなかった、と考えられる。
|