研究課題/領域番号 |
05454132
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
旭 正 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (10023392)
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研究分担者 |
岩崎 行玄 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (20193732)
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キーワード | 遺伝子発現調整 / F_0F_1ATPase / カタラーゼ / シトクロムcオキシダーゼ / 植物遺伝子 / ミトコンドリア |
研究概要 |
ミトコンドリアの代表的酵素であるシトクロムcオキシダーゼとF_0F_1ATPaseの種々のサブユニットの遺伝子を、すでにクローニングしているcDNAをプローブして、サツマイモ核ゲノムから単離・クローニングし、その5'上流域を解析し、高等植物ミトコンドリア構築のダイナミックな調節との関連を探索した。クローニングに成功したシトクロムcオキシダーゼのサブユニットVcの遺伝子の場合には、CAATボックスは2カ所に存在していたが、転写開始点からそう遠くない上流域には典型的なTATA様ボックスがなかった。このこととミトコンドリアの構築のダイナミックな調節との関係は未解決のまま残った。また、この5'上流域に、既知のホルモン感受性シスエレメントや傷害誘導性に関するシスエレメントなどに相当するヌクレオチド配列ないしその類似配列は見いだされなかった。一方、モデル実験として、ミトコンドリアの酵素と同様に種子発芽や傷害刺激で誘導されるカタラーゼについての研究においては、2種のヒマカタラーゼ遺伝子を用い、これらの5'上流域と大腸菌のbeta-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子との融合遺伝子をタバコに導入し、GUSの出現を追跡して、これらの5'上流域の調節機能を解析した。その結果、両方の5'上流域とも、種子発芽に伴って誘導的に発現させるプロモーターであることがわかった。これら2種のカタラーゼ遺伝子の中の一つを用いて研究した結果、この発現に関与するシスエレメントは、翻訳開始コドンから数えて535塩基対(bp)から816bpの間に存在していることがわかった。さらに、1241bpから4300bpの間にこの誘導発現を促進するシスエレメントが存在していることもわかった。
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